マーケティング 2013年03月27日

「個客」を起点とするマーケティングで
顧客・加盟店により高い付加価値を提供

競争環境の激化やテクノロジーの進展を背景に、マーケティングのあり方がいま大きく変わろうとしている。求められているのは、「個」のレベルでの顧客理解、「個客」の嗜好を踏まえたアプローチである。「総合カードビジネスNo.1」を目指す三菱UFJニコスでは、IBMをパートナーとして、自社のマーケティング基盤の再構築を実施。より高度なマーケティング施策を積極的に展開していける体制を整えている。

いまマーケティングに求められる役割とは?

 モバイルやソーシャルメディアの急速な普及に見られる「デジタル革命」の進展によって、企業のマーケティングのあり方がいま大きく変わろうとしている。以前からマーケティング分野においては、「顧客起点」という言葉が盛んに用いられてきたが、現在ではテクノロジーの進化によって、それを高いレベルで実践できる環境が整いつつあるのだ。

そうした中で、今後のマーケティングにおいて求められるのは、まさに「個」のレベルでの顧客理解をベースにした「個客」体験の提供にほかならない。すでにこのような認識に立って、新たなマーケティングの実践に踏み出す企業も増えつつある。その好例と言えるのが、クレジットカード会社の三菱UFJニコスのケースである。

「個客」の声を汲み取るサービスの実現が不可欠に

 現在、EC市場の急激な伸張を背景に、その決済手段としてクレジットカードの存在があらためて脚光を浴びている。これはクレジット業界全体にとって大きな追い風となっている。
 

谷下 直哉 氏
三菱UFJニコス株式会社 営業本部 マーケティング企画部 マーケティング企画グループ長

 しかしその一方で、消費者1人当たりのカード枚数は頭打ちとなっており、その中で各社が互いにパイを奪い合う争いが続いている。加えて、ECサイトや流通系企業のクレジットカードなどが、ポイント還元を売りにしてその存在感を増しており、業界内での競争はますます激しくなっている。

 こうしたビジネス環境にあって、三菱UFJニコスでは、約1,800万人のクレジットカード会員をはじめ、三菱UFJフィナンシャル・グループの優良な顧客基盤、もう一社の株主である農林中央金庫・JAバンク、さらには主要地方銀行とのパートナーシップを有するという強みを軸に、「総合カードビジネスNo.1」を目指し、クレジットカード業界における競争優位性を確立すべくビジネス戦略を描いている。「この計画を実践していく上で、最重要テーマの1つと言えるのが“お客様の声”をしっかりと汲み取るサービスの実現です」と三菱UFJニコスの谷下直哉氏は語る。
 

デジタルの活用で、「個客」マーケティング、O2Oの相互送客の強化を目指す

 三菱UFJニコスでは、MUFG、DC、UFJ、NICOSという4つのカードブランドのもと、各事業をイシュイング(カード発行)、アクワイアリング(加盟店業務)、ファイナンス(キャッシング、カードローン業務)、プロセッシング(カード業務の受託)で編成している。

春日 喜一郎 氏
三菱UFJニコス株式会社 営業本部 アクワイアリング開発部 兼 マーケティング企画部 部長

 それに伴い、マーケティング領域での課題もでてきた。「当時は、メール配信のほとんどを外部に委託していたため、思いついた施策をすぐに実行できる機動性や柔軟性が十分ではではなく、また、顧客ごとのメール配信状況の詳細を確実に把握できているかに疑問が残っていました」と同社の春日喜一郎氏は話す。

 加えて、これまでの紙媒体によるコミュニケーション手段の限界という問題もあった。主要な手段として利用していたDMや利用明細書への冊子封入、あるいは会員向け雑誌の送付といったコミュニケーションでは、個々の顧客にパーソナライズされた情報を送ろうとした場合、どうしても時間やコストがかかっていたのだ。

「雑誌やDMといった紙媒体では、場合によっては顧客に発送する3ヵ月程前から制作を開始する必要があるため、キャンペーンを始める頃には旬を過ぎていることもあります」と谷下氏は述べる。また、顧客の嗜好を汲み取った最適なキャンペーンになったかどうかの効果測定を的確に行う事が難しかったという。


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