2012年01月10日(火)

ローソン流「ダイバーシティ採用」外国人3割、女性5割

ジャーナリスト 溝上憲文

 国内店舗数4万店を超え、飽和状態にあるコンビニ業界。新たな成長ステージに向けた事業戦略を各社模索しているが、ローソンのキーワードは店舗を核にした「業態の多様化」だ。

 若い女性を対象にした健康志向型店舗「ナチュラルローソン」、均一価格で提供する「ローソンストア100」、小分けした生鮮品を販売する「ローソンプラス」など様々な店舗を展開している。拡大一辺倒ではない。それぞれの土地柄や客層のニーズに合わせた店舗フォーマットの多角化だ。

 一見、非効率にも思えるが「競合店がひしめく場所に普通のローソンを出店すれば、収益に多少の影響が出る。商圏や客層が被らないローソン100を出店すれば競合をブロックし、収益を維持することができる」(日野武二ヒューマンリソースステーション人事企画部長)という効果もある。

 もう一つの特徴は、一般の小売業とは違い、1万店のうち直営店はわずか200店舗というフランチャイズビジネスであること。そのため、「商圏や収益構造を考えながら加盟店主に売り上げを伸ばすためのノウハウを提供するコンサルティング」(日野人事企画部長)が社員の重要な仕事になる。

 加盟店主との良好な関係を築きながら、エリアや客層を考慮した最適な店舗スタイルを提案し、収益向上を図るのは、上に言われて動く従来型の上意下達型人材では難しい。「現場に向き合い、自ら考えて最適解を見出す自律型人材」(中村剛ヒューマンリソースステーション人財開発部長)が求められている。

 ではこのビジネスモデルを支える人材をどのように育成し、配置しているのか。じつはすでに採用段階から始まっている。同社は2005年の学卒採用から女性、続いて08年から外国人の積極的採用を推進しているが、近年の平均の採用比率は外国人が3割、女性が5割を占める。ここでもキーワードは「多様性」だ。

「ナチュラルローソンなどの様々な店舗やeコマース事業、それから海外出店など積極的にチャレンジしていくうえで企業風土もモノカルチャーだけではやっていけない。受容性が高く、柔軟な組織風土の中で様々な人がいろんな意見をぶつけ合うことでアイデアも生まれ、組織も活性化する」(日野人事企画部長)

 女性は新卒に限らず中途採用も実施している。現在女性の管理職層は30数人。新卒女性社員も含めた女性社員比率は15%程度という。今後もさらに高めていく予定だ。

「現在は経営会議のメンバーに女性がいない。女性比率を上げていくのと同時に、経営層に早く女性に入ってもらいたいという思いがある。新卒・中途に限らず採用・育成を通じて多様な人たちがしかるべきポジションで活躍し、会社の意思決定に参画していく状態をつくり上げることが我々の課題だ」(日野人事企画部長)

 女性に限らず、外国人が3割いると日本人にも刺激を与えずにはおかない。

「日本にきた外国人留学生は、それなりの覚悟を持って何事にも積極的に行動する。たとえば研修で『これをやりたい人いるか』と聞くと、日本人は講師と目を合わせないようにして避けることが多いが、外国人は全員が手を挙げる。その影響を受けて日本人も手を挙げるなど積極的に動くようになった」(中村人財開発部長)

 多様な人材の獲得が人的資源のインフラであるとするならば、店舗運営のコンサルティング人材をどのようにして育て上げるのか。同社でのキャリアパスは、入社後の導入研修を経て直営店舗に配属。そこで1~2年間、店長を経験し、ストアサポーター職、さらに試験に合格しスーパーバイザー(SV)と呼ぶ店舗運営指導員になる。SVは標準で9店舗を担当し、単体約3300人の社員のうち約1000人を占める。

 SVの上の職階は10~15人のSVを束ねる支店長、その上は支社長になる。支店は全国に77カ所、支社は7つ。支店長は課長職に相当し「SVをいかに育成し、レベルアップを図っていくか。そしてその中から支店長をいかに育成するかが重要になる」(日野人事企画部長)。

 SVになるのは標準で26~27歳。支店長は早い人で32~33歳という。

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