グローバル化 [JBpress] 2011年09月29日

消えてなくなれ、サブマリン特許実にめでたいアメリカの特許制度改正

 アメリカの特許制度がようやく変わった。9月16日、オバマ大統領が米特許法の改正法案に署名した。施行は2013年4月らしいから、まだ変わってはいないことになるが、「森が動いた」と言えそうだ。

 アメリカの特許制度は、世界の国々の中でただ1カ国だけ独特であり、世界特許機構の中でも大きな問題になってきた。今まで長い期間の話し合いで、アメリカ代表も欠陥を認めているのだが、アメリカの国内で根強い反対があって改正されず、今日に至ってきた。

 実は2007年にも「改正の寸前」という状況になったのだが、ブッシュ大統領が署名せず発効しなかった。今回はオバマ大統領が署名して発効した。実にめでたい。

アメリカの特許制度はここが「変」

 アメリカの特許制度で世界の特許制度と大きく違っていたのは、以下の4点だろう。

(1)先発明主義を採用している。

(2)特許の概念が日本などに較べて幅広く解釈されている(実質的に同じ機能を持つ場合は、細かい字句の相違は無視される)。

(3)特許裁判の審判に陪審員制度を使えるため、情緒的な結論が出やすい。

(4)製造方法の域外適用を採用しており、輸入された製品の一部でも米国特許を侵害して作られていればその製品自体が特許侵害だという制度を採用している。

 また、一応解決済みではあるが、1995年に改正されるまでは、特許の有効期間が「特許成立から17年」とされていた(今は特許出願から20年)。

 「成立から17年」しかないから、アメリカでは多くの発明家が特許を出願してから修正、追加、分割等々を繰り返して特許成立を遅らせた。中には出願後28年特許成立を遅らせ、首尾良く45年間も特許権を有効にし続けた剛の者もいた。

サブマリン特許を生んだ「先発明主義

 他の問題点は我慢するとしても、世界の国々がどうしても容認しがたかったのが「先発明主義」であった。

 先発明主義とは、特許の申請を出していてもいなくても、先に発明したことが証明されれば、特許として認めるという制度である。「それなりにもっともだ」と思うと大間違い。大変迷惑な制度だ。

 日本をはじめ世界中の国々が採用している「先願主義」では、特許当局に申請書を提出した日をもって権利が発生するという方式である。


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