経営戦略 [ダイヤモンド・オンライン] 2011年05月09日

24歳で起業、売上100億円が29億円へ激減
会社存亡の危機を救った美顔器の新ビジネスモデル
(前編)
――健康ホールディングス社長
兼 健康コーポレーション社長 瀬戸健湯谷昇羊 不屈の経営者【列伝】

“おまけのクッキー”が大人気に
通販増収率トップクラスへ

 そのうち、お客さんから「クッキーを食事の代わりに食べている」という声が聞こえてきた。ダイエットオタクだった瀬戸は、それならこれにビタミン を加えて、「クッキーダイエット」として売り出そうと考え、まだ製品が出来ていないのにネットに宣伝を載せてみた。すると、あろうことか注文が続々と来 た。あわてた瀬戸は実家を督促して、「クッキーダイエット」を完成させた。

 売りだしたのは04年1月からだったが、売れ行きは順調だった。実家だけの製造では間に合わず、5月からは専門の工場に外注した。

 ダイエットというと、してはいけないことが多すぎて、わかっているけど続かない人が多い。食べたい、楽(ラク)したい、走りたくないという欲求も ある。クッキー自体が食事になるようにしたため、売れたのだ。初年度は2500万円の売り上げだったものの、05年3月期(以下同)8億9000万円、 06年24億円、07年100億円と異様に高い伸びを見せた。このころは毎年、日本の通販の増収率1~2位に入っていた。

 当時瀬戸は、「攻めに攻めた」という通り、広告宣伝費を湯水のように使った。資生堂の「TSUBAKI(ツバキ)」の年間宣伝費が52億円だというのに、07年に69億円も使った。

M&A戦略の一方で売上急落
“会社存亡の危機”に

 06年5月には、札幌証券取引所アンビシャスに株式を上場した。最年少での上場だった。当時の売上に対する「クッキーダイエット」の比率は98%も占めており、リスクを感じていた瀬戸は、企業買収を次々果たしていった。

 その第1号はあるポイントサイトで、買収金額は4億円だった。買収前に年間1億円の利益を出していた会社なのに、買収した翌月から赤字で、9か月後には3億円の損を出した。仕方なく当初のオーナーに6000万円で買いもどしてもらった。3億4000万円の損失だった。

 この苦い経験により、本業にかかわりのあるもの、安定感のある会社に絞って買収を続けた。

 健康コーポレーションにとっては、07年度の売上100億円がターニングポイントだった。他のダイエット関連商品が大ヒットしたり、類似商品の登 場で「クッキーダイエット」の売上は急下降線を辿った。08年72億円、09年29億円。伸びるときも凄かったが、落ちる時も凄いというので「ジェット コースターのようだ」と言われた。広告宣伝費は年間契約なので、売れなくてもすぐには削れない。在庫のクッキーを200トンも廃棄した。08年度は、旧健 康コーポレーション時代と新設健康コーポレーションと合わせて、4億円もの営業赤字を計上した。

 ところがここで、売上が100億円に達するまでに買収したり新設した子会社が大きく貢献することになる。なんと合計で6億5000万円の営業利益を出した。のれん代などもあったことから、連結では3800万円の営業損失で済んだ。

 それなのに銀行は掌を返したような態度に変わった。健康ホールディングスと健康コーポレーションに対する4月からの新規銀行借入が大変厳しくなっ た。当時両社で約30億円以上の外部からの借入金があったが、信用がなかったので短期借入が多かった。返済期限は次々来るが、新規に貸してくれるところは 無かった。業績は新商品の投入で回復しているのに貸してくれない。瀬戸は「とにかくつぶれないように必死だった」と述懐する。会社存亡の危機だったのだ。

後編につづく)


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