経営戦略 [ダイヤモンド・オンライン] 2010年06月02日

大学受験失敗、店舗清掃で起業した青年が
ビル・住宅等のエコ事業で1300加盟店展開
――トータルサービス社長 山口恭一湯谷昇羊 不屈の経営者【列伝】

 

 山口は、中長期ビジョンとして、2015年までに1000FC(2009年3月に達成)と、ビル・住宅・クルマ関連事業以外にもう1つの大きな柱を立てること、そして、社内から20人の経営者を輩出すること、を掲げた。

 経営者はすでに15人輩出している。中には入社半年、企画書1枚で7000万円の投資を受けて新規事業を立ち上げた者もいる。独立希望者には、銀行の紹介からトータルサービスとの提携まで、様々な支援が行なわれる。山口が独立支援制度をやっているのは、いい人材が欲しいからだ。

 リーダー育成の難しさを痛感しているだけに、常に中途採用の人材は募集している。「いいリーダー候補がいたら、仕事が無くても採用する」というほど。また、若手リーダーとのコミュニケーションの時間も、年30日間も取っている。

 初年度、出社しなかったのはたったの1日だった。それが昨年、山口が会社に出社しない日は年間170日あった。

 今後も段階的に出社日を少なくして、やがて来る2022年には後継者を決定しようと考えている。つまり権限委譲を進めているということだ。バトンタッチの手法はMBO(マネジメント・バイアウト)することに決めている。

 「一生はタイムマネジメント、必ず終わりがあるのだから期限を区切らないのはおかしい」という山口は、社長交代の時期も決めている。今やっている仕事は、人事、新規事業、財務、事故・クレーム責任者だ。経営者は事故・クレームの第一線から逃げてはならないというのが山口の信念だ。それがノウハウとなり、会社の強さになると信じている。

 そして2027年に経営をバトンタッチする。それができなければ会社を売却する考えである。

 経営者としての「出口戦略」まで決めている異色経営者、山口に残された時間はあと17年である。

【企業データ】
●会社名:株式会社トータルサービス
●設立年月日:1982年5月
●代表者:代表取締役 山口恭一
●上場市場:未上場
●事業内容: ビル関連事業、住宅関連事業、車関連事業
●資本金:7800万円
●売上高:16億円(2009年2月期)
●従業員数:60名
●本社所在地:東京都新宿区西新宿

 

 


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