Windows 7への移行は急務?
Windows 7がリリースされてから数カ月が経過した。待望の新OSの登場とは言え、その導入時期を決めかねている企業も多いだろう。ここでは、同OSの導入に際しての留意事項と、導入時期を巡る米国企業らの見解を紹介しよう。
まず企業は、Windows 7でのアプリケーション互換性テストに、すぐにでも取り掛かるべきだ。特に、Vistaに移行せず、これまでWindows XPを使い続けて来た企業はなおさらである。なぜなら、マイクロソフトは「Windows XPのサポートを2014年4月で終了する」と明言しているし、調査会社のガートナーも、多くのアプリケーション・ベンダーがXP対応版のサポートを 2012年までに打ち切ると予測しているからだ。
同社のアナリスト、マイケル・シルバー氏は、「アプリケーションのサポート問題が最大の懸案事項だ」と訴えている。Webブラウザも例外ではなく、Windows 7では、否応なしにInternet Explorer 8にアップグレードしなくてはならなくなる。
新OSに期待するユーザーたち
Windows 7は、評論家の間では「(Vistaの)肥大化したサービス・パック」などと揶揄されているが、米国フロリダ州マイアミ市でIT担当アシスタント・ディレクターを務めるジェームズ・オスティーン Jr.氏は、同OSを「Vistaのアドバンス版」だと好意的にとらえ、早期導入を決断した。「Windows 7は、1月に公開されたベータ版から抜群の安定性を誇っていた」と氏は語る。
Windows 7の売り文句は「パフォーマンス」、「信頼性」、「使いやすさ」などだが、「実はユーザーに最も受けているのは、従来のWindowsと比べて起動/スリープ/ウェークアップのスピードが速いという基本的な部分だ」とシルバー氏は指摘する。ただし、企業や官公庁などでは、別の機能を重視するだろう。例えば、マイアミ市の場合、電源管理機能の強化による電気代の節約や、ユーザー・インタフェースの改善によるサポート・コストの削減に期待しているという。
一方で慎重な対応を訴える声も
とは言え、だれもがWindows 7を手放しで歓迎しているわけではない。生命保険会社ジョン・ハンコックのCIO、アラン・ハックニー氏は、「『ビジネス価値の提供』という観点で見たとき、OSのアップグレードは優先順位が低くなる」と説明する。ハックニー氏によれば、ジョン・ハンコックではかつて、Windows XPの社内展開に8年もの期間を費やしたという。氏は、「今、Windows 7を導入したとしたら、2017年には、このOSがそのときのCIOにとって大きな足かせになっているかもしれない」と冗談交じりに語る。
またシルバー氏も、「一部の企業は、大手ベンダーがWindows 7対応アプリケーションを出すまで導入を待つのではないか」と推測している。
Windows 7へのアップグレードを求めるVistaユーザー
シルバー氏は、通常のPC入れ替えサイクルに合わせてWindows 7を導入することを勧めるものの、それより前に、企業は既存のVistaユーザーからWindows 7へのアップグレードを強く求められると見ている。
実際、オスティーン氏によれば、マイアミ市では従来、新規購入のPCだけに新OSを導入してきたが、 Windows 7で初めて、インプレース・アップグレード(既存のデータやアプリケーションを保持したままのアップグレード)を実施している。同市では、まずデスクトップ・サポートとヘルプ・デスクの一部スタッフにベータ版の支給を始めたところ、他のスタッフから「自分がWindows 7を使えるようになるのはいつからか?」という問い合わせが多数寄せられたという。














