2010年02月22日(月)

「売上」「利益」で企業の実力は図れない! IFRS適用で問われる投資家の目利き力

IFRS最前線【第3回】

林 恭子(ダイヤモンド・オンライン)

  「2015年または2016年3月期の売上高は、急に半減するかもしれない…」

  こうした状況が懸念される業界、それは商社や百貨店、広告代理店をはじめとした代理事業を行なう企業だ。しかし、この売上減は不況やビジネスモデルの変遷が原因ではない。欧米に続いて日本でも適用が視野に入ったIFRS国際財務報告基準)が大きな原因となっている。

 前回前々回で述べたように、日本においてIFRSは2010年3月期から上場企業の連結財務諸表への任意適用が認められ、2015年または2016年3月期には強制適用となる予定である。

  「会計のグローバル・スタンダード」ともいえるIFRS。適用することによって各上場企業の経理担当者などがその対応に追われ、苦悩することは前回述べたとおり。

 その一方で、財務諸表を情報として利用する投資家にとっても、日本のIFRS適用は人ごとではない。なぜなら、IFRSでは、これまで投資家が慣れ親しんできた財務諸表とはまるで異なる形式・ルールで財務情報が記載されるようになるからだ。

 伝統的に日本企業や日本の投資家は「売上高の絶対額」や「当期純利益」などに一喜一憂する傾向が強い。しかし、「多くの投資家が企業を分析する際、必ず注目する『売上高』と『当期純利益』は、IFRS適用によって投資情報としての重要性が低下するかもしれない」と山崎彰三・日本公認会計士協会副会長は指摘する。

 つまり、もし日本基準の財務諸表しか知らなければ、IFRSでルールなどが変わったにも関わらず、冒頭のような“売上高が減少した”事実について誤った認識をし、投資判断を間違いかねないのだ。

 では、同じ財務諸表でも日本基準とIFRSで、どのような違いがあるのだろうか。

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