経営戦略 [PRESIDENT Online] 2010年02月10日

なぜシャープは亀山工場の売却を検討するのか

目的の一つは中国需要の獲得

「AQUOS(アクオス)」の名を高めた「亀山モデル」の生産拠点である亀山工場(三重県)が、一転してシャープの重荷になっている。ゴールドマン・サックス証券アナリスト、藤森裕司氏は、「亀山第一工場をつくったのはよかった。が、亀山第二工場までつくったため、自社でさばけるボリューム以上のキャパシティーを持ってしまった」と指摘する。

 部材の調達から部品の組み立て、最終製品化までの一連の流れを国内の生産拠点で完結させるような経営を、一般的に「垂直統合」という。シャープでは、これをより発展させ、組織横断的な開発チームを編成して技術革新を図り、さらに先進的な製品を生み出すという独自の「スパイラル戦略」を標榜してきた。

「しかし、スパイラルになるどころか、社内での需要と供給のミスマッチが起こり、在庫の問題となって、去年、重くのしかかった。シャープが40年間、培ってきたビジネスモデルが破綻したといえます」(藤森氏)

 在庫を過大に抱えるに至った大きな要因として、世界同時不況で消費不振に陥ったうえに、韓国や台湾などの競合メーカーが円高を背景に日本マーケットへ浸透し、液晶製品が国内市場で急速に値崩れしたことが挙げられる。シャープは、中小型の液晶製品の主力生産拠点である亀山第一工場などの操業を停止し、在庫調整を図った。ことしに入り、中国企業との間で亀山第一工場の生産設備の売却交渉が進んでいると伝わった。売却額は約1000億円といわれる。


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