グローバル化 [ダイヤモンド・オンライン] 2013年07月30日

ニッポンのグローバル化はいつだ!? 
―世界は日本人のビジネスをこう見る【第10回】豪州との比較に見る「日本の投票率はなぜ低い?」

90%を割ったことがない
オーストラリア選挙の投票率

 7月21日に行われた日本の参議院議員選挙で、選挙区の投票率は52.61%と、参院選としては過去3番目の低投票率だったことはオーストラリアでも報道されています。選挙での投票率が90%を割り込んだことがないオーストラリアにあっては、「日本人は政治に無関心」と受け取られるかもしれません……が、詳しくは後ほどお話ししたいと思います。

 さて、日本でも選挙制度の在り方が、長きにわたって議論されていますが、今回の参議院選でもまた、「一票の格差」が最大4.77倍になるのは憲法違反だとして、選挙の無効を訴える裁判が起こされています。

 一票の格差を是正することは確かに大事なのですが、個人的には、本質的な問題はそこにはないと思っています。「投票した人」の一票の比重を論じる前に、「投票していない人が半分もいること」や「投票した人の票の半分が生かされていないこと」のほうが、はるかに大きな問題だと私は思うからです。

 落選候補者に投じられた票の割合を「死票率」と言いますが、今回の参院選の死票率は(7月26日時点で正式にはまだ発表されていませんが)、例えば選挙区だけの死票率を見ると、東京が31.8%、沖縄は48.9%、1人区で自民以外の候補が勝った岩手では61.8%にまで上りました。昨年末に行われた衆議院選挙でも、小選挙区の死票率は56%でした。まさに「投票した人の票の半分以上」が生かされなかったのです。

 こうしたことが生じるのは、日本の小選挙区選挙では単純に、1票差でも最高得票を得た候補者が当選する仕組みであるからですが、これに対して、日本の衆議院に相当するオーストラリアの下院議員選挙では、投票者が「各候補者に優先順位を付けて投票する」という制度(Preferential-Voting)が採用されています。

 この制度では、有権者は全候補者名に優先順位を付けて投票します。最初の開票で「1位」を記入された票が各候補者の得票数になりますが、全体の過半数を獲得した候補者がいなかった場合は、得票数の最も少ない候補者が除外され、その票に記入された2位の順位に従って、残りの候補者に再配分されます。過半数を獲得できる候補者が出るまで、同じ過程を繰り返します。

 これならば、当選候補者を「1位」と書かなかった有権者の意向も汲み取られる形になり、限りなく死票が少なくなるわけです。このオーストラリアの選挙制度であれば、「A党には入れたくないが、B党も嫌だ」という場合、両党の順位を下位にすればその意向を投票に反映できるというわけです。


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